翔子が教室を出てからずいぶんたった。
もう授業が始まってるのに帰ってこない。
メールしたのに返ってこない。
どうしたんだろう・・。
あたしは先生に事情を話して栞とさゆりで探すことにした。
「翔子ー!?」
何回呼んでも返事はない。
あたしはいろんなところを走りまわった。
その時、
誰かの泣いてる声がした。
あたしは声の聞こえる方にそっと近づいた。
そこに居たのは翔子だった。
「翔子!」
すごい大泣きをしてる翔子が居た。
あたしは驚いて言葉もでてこなかった。
あんなに笑顔で教室をでた翔子がこんなにも悲しんでる。
その時栞が「翔子いたー!」ってこっちに走ってきてさゆりが翔子の隣に座りこんだ。
「翔子どうしたの?」
こんなにもパニクッてるあたしとは違ってさゆりは落ち着いてる。
とにかくあたしと栞も座ることにした。
「太陽・・んっ・・がっ、ねっ?」
嗚咽で何を言ってるのかあまりわからない。
でも・・・それほど悲しんでる。
「ゆっくりでいいよ翔子」
栞も落ち着いてる。
あたしも落ち着かなきゃ。
「教室にねっ・・・ふっ、んっ・・行ったのにいなくて・・・」
「うん」
「やっと見つけたと思ったら、女と居てっ」
「女?」
「すっごいっ、うぅ・・きれいな人だった」
「うん」
「あたし・・・ショックでさ、さよなら言っちゃったよぉー」
翔子は「太陽・・・」って何回も繰り返して泣く。
大事な友達がこんなにも苦しんでるのに・・・黙ってみてられない。
あたしは立ち上がって栞の腕を掴んだ。
「さゆり頼んだよ」
「わかった」
何を言いたいのかさゆりはわかったようで翔子をさゆりに任せて栞と2年の教室に向かった。
まだ授業をしてる。
けど、あたしはドアを開けた。
「あ、」
このクラスの国語の担当はあたしの担任の先生だ。
「先生!」
「どうした本間?」
「あの・・」
「うん?」
「太陽先輩に用が合って・・・」
「太陽?」
「はい」
「大事な用か?」
「はい」
「しょうがないなー太陽行け」
先生~。ありがとうございます。
太陽先輩は立ち上がってだるそうにこっちに来た。
「ついてきてください」
あたしは太陽先輩を図書室に連れてきた。