【翔子Ver】
あたしは走って教室を出た。
早く話したい。
聞きたい。
急いで2年の教室に向かった。
「あの、太陽いませんか!?」
近くに居た男の人に聞いた。
「太陽・・・?あぁーちょっと待ってね」
その人は教室をのぞいてみんなに聞く。
「おーい太陽いるかー?」
その人が声を掛けると女子も男子も「いないよー」とか「いねぇーよ」。
「いないっぽいよ」
「そうですか・・・ありがとうございます!」
あたしはまた走り出した。
なんで教室にいないの?
いつもは居るのに。
もしかして―・・・・
この嫌な感じがあたらなければいいけど。
あたしは突き当りをまがった。
そこには・・・
「太陽!」
あたしは太陽を見つけた。
なんでこんな人影のない所に―・・・
「え・・・」
なんで?
どうなってるの?
ねぇー・・・。
「翔子・・・」
なんで申し訳なさそうな顔してるの。
それに隣の人は誰?
どういう関係?
「そういうことね・・・」
「ちがっ!」
いつもは話さないのにそういうときだけいっぱい話す。
言い訳なんて聞きたくない。
「太陽。今までありがとう・・。さようなら」
あたしは太陽にさよならを告げた。
これで・・・終わり。
終わった。
ずっと大好きだった。
1年の頃から好きで、2年で告白した。
一回目の告白はダメだった。
振られたけど、あきらめられなくて―・・・。
もう一回告白した。
2回目の告白はOkですごい嬉しかった。
あたし・・・浮かれてたのかな・・。
太陽とのいろんな思い出がよみがえってきた。
あたしは玄関で大量の涙を流した。