「あの子って・・・?」
「聞いてくれる?私の話。」
あの子が気になってしょうがない香穂子は智子の話を聞くことにした。
「あの、香穂子ちゃん、私たちもう帰らなきゃ。」
取り巻きの少女たちがそう告げる。
「仕方がないね。先に帰っていいよ。」
珍しく香穂子がそんなことを言ったのに驚いたが少女たちは足早に教室を出て帰っていった。
「さあ、話してよ。」
「わかったよ。
あるところにね、女の子がいたの。その子はいじめられていてね。すっごく苦しんでいた。
でも誰にもそのことがいえなかった。怖かったの。誰かに言うことでもっといじめられるんじゃないかって。
だからずっと我慢していたんだ。ずっと、ずっと。
ある日、家に帰ろうとしたら呼び止められたの。同じくらいの年の子に。
それで聞かれたの。