「悪魔の掟をッ
天使の掟を・・・
お前、ちゃんと分かってんのか！？」

しばらく二人の間に沈黙が続きました。

「知ってるよ。」

しばらくしてエリカが口を開きました。
「だったら！！」
アンはエリカに詰めよります。


ふとエリカが口を開きました。
その顔には 薄く柔らかな笑みがこぼれていました。
そして エリカは語り出しました。
自分が考えていた事を。
「私ね、まだ好きな人が出来た事なかったの。
好きな人ができるのがどんな気持ちか分からなかった・・・。
周りの皆が幸せそうなのが羨ましかった。」
静かに ただ静かにですが その声にはエリカの感情が強く込められていました。
「エリカ・・・」
アンは何と言っていいのか分からず また静かにエリカを見つめました。


「そんな私にね、好きな人が出来たんだよ。
アン、それって悪い事？」
エリカの瞳は真剣そのものでした。
「わ、悪いとは言わねぇけどッ・・・」
アンは 顔を合わせる事はなく 横を向いていました。
「ねぇ。アン？好きなんだよ・・・？」
エリカの瞳は まるで泣いている様でした。
涙は流れていません。
でも 瞳の奥でエリカは悲しみに満ちていました。