靖視点


きっと コイツは。
柊は俺が柊の事を好きなんて思ってないだろう。
すーすーって
可愛い寝息をたてながら 俺の腕の中に居る柊。
思わず泣いてる柊を抱きしめてしまった。
俺に 安心しきって貰っているのか。
それとも・・・
単に無防備なだけなのか。
だとしたら柊 大丈夫か・・・・?
でも こうして寝顔を見てるとホント可愛いな・・・・。
・・・・・!
いや ダメだ!
それだけはっ!
でも・・・
「男相手に無防備なお前が悪い。」
寝ている柊にそう言っても聞こえない事は分かっている。
それでも 言い訳のような物が欲しかったんだ。

ちゅっ・・・

俺は柊の口にくちづけた。
ダメな事は分かってる。
多分 柊は司ってヤツの事が好きなんだろう。
それでも その司ってヤツのせいで・・・泣いてたじゃねぇか。
柊には涙なんか 似合わない。
俺が笑顔にしてやりたい・・・・!
俺がじっくり寝顔を観察していると柊が目を開けた。
「ん、靖、くん?」
「おう。・・・・おはよう?」
「へ、わぁ!?ごめんねっ靖くん私ッ・・・」
柊はやっと気づいたみたいんだ。
俺の腕の中に居る事に・・・。