ー司視点ー

俺は 夢で見て自分自身がアンだと知った。
見つけにくいって言ってたけど 見た目そっくりな緋李がエリカだとすぐに分かった、つもりだった。
でも

『私じゃないよ。』

その言葉は俺には重かった。
ずっと ずっと・・・
何年も信じていた俺にとっては
裏切られた感じがして辛かったんだ。
だから・・・

「ごめん。」

って断ったんだ。
だって俺は悪魔になっての初恋はエリカだったんだ。
ずっと
初めて見た時から好きだった。
初めての、恋 だった。
俺は転成したら絶対エリカと付き合おうと決めてたんだ。
悪魔と天使だとダメだから。
禁断の愛だから。
ルールを破ってしまったから。
俺達はこうして来たのに・・・。
緋李はエリカじゃなかった。
俺はエリカだと思ったから緋李に好きだって言ってたんだ。
エリカじゃない緋李なんて ただの人と同じだろ・・・・?

だから もう
いいんだ。
だけど・・・
どうしてだろう?

『 大好き。』

って言ってくれた あの顔が忘れられない。
少し 心が痛むんだ。
どうしてだろう?
俺は・・・
エリカが好きのハズなのに・・・。