とりあえず司が寝てる今でないと 夢の話は聞けなさそう。
さっきも 「じゃあ、いいわ」
とか 言われたし。
私はとりあえず 聞いてみる事にした。
司が・・・・
「司が、アンなの?」
そう問い掛けると司はニコッと笑った。
「あぁ、エリカ。
やっと思い出してくれたんだ?」
司は 寝ぼけながら 私に近寄ってきた。
え・・・・
司・・・?
ちょ、待っ・・・
抵抗はしなかった。
前も言ったけど 私の“嫌い”は本当の嫌いじゃないの。
メルヘンは嫌いだけど。
司は私をふわりと抱きしめた。
温かった。
人の体温が心地良い。
トクン、トクン―――
心臓の音が響く。
これ・・・司に聞こえてないよね?
「エリカ・・・。」
司は私の肩を掴み顔を近づけてきた。
こ、これは・・・
キス!?
「い、嫌ぁ!!」
いくら 幼なじみとは言え 許されない事もある。
私は両手で司を突き飛ばした。
「ん・・・?」
司は自分の目をこすり眩しそうに目をしかめた。
「・・・?緋李どしたの?」
司は赤く染まった私の顔に気づき疑問をふりかけてきた。
司のせいなのに・・・。
「バカぁ!!」
私はまた 一人屋上から逃げ出した。