こうなるのは、運命だったのかもしれない。
 僕に覚悟を求めるなよ。全てはお前が招いたことだろ。自分でどうにかしろよ。僕はしらない。
 そこで目が覚める。
「夢か……」
「夢じゃないぞ」
 僕の日常はいつ戻ってくるのだろうか。殺生が僕の体に宿ってから一週間たった。このことは、まだ誰にもいってない。いっても仕方ない。信じてもらえないというのと、僕の父さんが警察だからだ。父さんの話によると、殺生は50人目の被害者らしい。まだ公表されてないのだが、連続殺人事件が起こっているらしい。証拠は何一つつかめていない。しかも、遺体が全て消えたという。
 殺生は自分が犯人だと言っている。49人殺して、50人目を殺そうとしたら自分がころされてしまった。彼らは異常な力をもっていて危険だから殺した。むちゃくちゃな話だ
 そんなことよりなぜ僕が手伝わなければならない。僕でなくてもよかったはずだ。
 殺生が声をかけてきた。
「まだ、そんなことを考えているのか」
 僕の考えていることが殺生は全部わかるのに、殺生の考えていることは僕にはわからない。不公平な気はするが、きにしないでおこう。
「そういえば、3時間だけ外にいられるんだよな」
「それがどうした?」
「いや、別に。ただ敵が襲ってきたらどうするのかなって」
「もちろんお前が戦う」
 やっぱり勝手だ。
「はやくしないと遅れるぞ」
 急いで支度をして家を出る。ギリギリまにあいそうだ。

 綾瀬 晃毅の日常は日常ではなくなった。
 たった一人の少女殺生 怜香によって。

 日常は崩壊した。