思い出しても、自分が滑稽でならない。

強がって。強がって。

だけど車のドアを閉めた途端に涙が溢れて。


とっくにキモチは冷めているものだと思っていたのに。

まだ、アイツがスキだった。


それを引きずったままの翌日。

家にいても仕方ないと思い休日出勤。


たまたまいた町田先生に捉まって。

已む無く事情を話す羽目に…


そして、今のこの状態。


桃子からメールが毎日届く。


『話がしたい』

『誤解なの』

『ごめんなさい』

そんな内容。


電話もかかってくる。

でも、無視。

留守電には


『浮気なんてしてない』

『陽太が好きなの』

そういう内容の言葉が入っている。


どうせそのうち連絡しなくなるだろう。

そう思い全部無視している。


「結城先生って意外と厳しいんだね」

町田先生にそう言われたけど。


厳しくなんてないと思う。

だってアイツの浮気はこれが初めてじゃないから。