「よーたに会いたい?」


頷く私。

気持ちは沈んでいく一方。



「こんなことならあのとき、言ってほしくなかった…」


「好きだ、って?」


また頷く。

ねえ、よーたくん。

早く会いに来てくれなきゃ私…潰れちゃいそうだよ。



「確かにそうだな。

あのことに関してはよーたが悪い。


奏ちゃんがまだ前の彼氏と別れてないのに告白なんて、どうかしてるよな。


で、好きだって言っておいて3ヶ月放置。

そりゃあ奏ちゃん、泣きそうにもなるよな」


「そうですよ…!

もう、どうすればいいのか分かんなくて…」


「分かる分かる。

俺からちゃんと説教しとくよ」


ポンポンと私の頭を軽く撫でる翔馬さん。

こういうことをサラッとできるからきっと、この人はモテるんだろうな。



「さて、そんな奏ちゃんに俺からプレゼント」


「…プレゼント?」


なんだろう、プレゼントって。

そもそも今日会ったのは偶然なのに。

なのにプレゼント…?



「5…4…3…」


翔馬さんは腕時計を見ながらカウントダウンを始める。



「2…」


「1…」


翔馬さんの視線の先。

店の入り口。


そこに立っていたのは…


「……よーたくん…」


「……かなで…」