「翔馬さんに比べたら私なんて…」
「ん?どうしたの?」
「翔馬さんと比べたら私の片想い期間なんてあってないようなものだなあ、と思って」
「それは違うと思うなあ」
最後の一口を食べ終えた翔馬さんは私を真っ直ぐに見つめる。
「好きでいた時間の長さなんて関係ないよ。
その人をどれだけ強く想ってるか、ってことだけが重要なんだから。
そういう点じゃ、もしかしたら俺は奏ちゃんに負けてるかもしれない。」
ま、負けてるはずないけどな。と最後に付け足して翔馬さんは笑う。
「…あの、」
「ん?」
「最近…会いましたか?」
じーっとしばらく私の顔を見つめていた翔馬さん。
でも、その視線を外すと
「よーたのこと?」
と言う。
「そう、です」
「うん。会ってる。
月2回くらいのペースで。」
「…そうですか」
特別忙しいワケではなさそうだ。
忙しくて私に会えないならまだしも、
翔馬さんに会う時間があるなら、
私に会う時間だってあるはず。
なのに…どうして。
どうして私に会おうとしてくれないの?