「翔馬さんは…」
「ん?」
「理子さんを想い続けて何年目ですか?」
唐突な私の質問に翔馬さんはビックリした顔をする。
「すいません。
こんなこと聞いて。」
「いや、いいよ。
そうだなあ…俺は出会ってすぐ好きになって、5年付き合った。
で、もう別れて…3年、か。
やべぇ…俺、もう8年以上理子が好きなんだな」
悲しそうな顔で笑う翔馬さん。
「8年…私が12歳の頃からずーっと好きなんですね…」
「え!?12歳!?
なんかそれ聞いたら余計ヘコむんだけど…」
はあ、と溜め息をつくとグイッと残ったお酒を飲み干す。
「辛く、ないですか?
好きでいることをやめようと思ったことはないんですか?」
「辛い辛い。
同棲してた期間もあったから余計なのかな。
毎日真っ暗な部屋に帰る度に泣きそうになる。
それに何度も思ったよ。
キライになれたら、って。
でも、できなかった。
俺は理子が好きで好きで仕方ないんだ。
多分、俺はもう一生、理子以外の人間を愛せない。」
そう言った翔馬さんの横顔はあまりに切なかったけど。
でも、すごく輝いていてカッコ良かった。