「はい、どーぞ」


「ありがとうございます」


連れてこられたのはオシャレなケーキ屋さん。


「何?その呆気にとられた顔は。」


「いや、そんなことは…」


「俺がこんな店知ってるなんて、って顔に書いてあるよ」


「…すいません」


「あっさり認めちゃうんだね。

そういうところがきっと…」


「きっと、なんですか?」


途中で言葉を止めた翔馬さんは一瞬俯いた。

だけど、すぐに顔をあげて


「なんでもない」

と笑う。


言葉の続きが気になったけど。

でも聞くのを我慢した。

多分、いくら聞いたところで翔馬さんは教えてくれないだろうから。