日常


入部して1ヶ月。
部活にも慣れてきた今日この頃。


「ありなちゃん!助けて~!」
私の名前を呼んで浅羽先輩が
走ってきた。

何かと思って振り向くと
ものすごいスピードで
追いかけられている
浅羽先輩がいた。

「はっはい?」
私がびっくりしていると
浅羽先輩は私の後ろへ
走り抜けて行った。

しばらくすると
同じ顔をした2人がやってきた。
「「ありな!廉先輩は?」」

声を揃えてそう言ったのは、
かっこいいと言われている
同じクラスの双子くんたちだ。


南条翔太・南条彰希

兄の翔太は、トランペット
弟の彰希は、トロンボーン

2人してプロ並みの上手さ。
そして、2人してドS。

一卵性双生児だからなのか
この2人のコンビは最強なのだ。

まあ、こんな双子でも
相談したりできる大切な存在。


「浅羽先輩ならあっちに
走って行っちゃったよ~!」

私がそう言うと…
「サンキュ!助かった♪」
「待て~!廉先輩~!」

「「絶対に捕まえてやる!」」

嵐のようなスピードで
走っていった


このとき走って浅羽先輩を
追いかけていた2人に
私は、助けてもらうなんて
思っていなかった。