「よし、お互いがんばろうね」 ファミレスに入る前、菜穂が息を吐きながら言った。 「うん」 あたしも意気込みながら答えた。 いつも普通に入ってるファミレスなのに、今日はすごく大きなものに見えてくる。 こんなに時給がいいバイトは他にない。 なんとしても、採用してもらわなくちゃ。 黒縁のめがねをかけた店長さんが店内の奥のほうに招きいれてくれた。