あれから一度も夏輝から手紙が来ることはなかった。
おととし、ウチも家を引越し住所が変わったからついに連絡できる
最後の手段も絶った。
あたしは、夏輝から手紙が届くのを楽しみに待っていた。
でも、一向に届く気配はなく、あれから3年が過ぎたとき。
夏輝との約束を、夏輝との思い出を、すべて胸にしまった。
もう、夏輝のことを忘れることにした。
どんなに待っていても、どんなに思っていても、
夏輝の心にあたしはいない。
だから、あたしも心の中の夏輝を消した。
簡単ではなかったけど、
もうあたしには、温かい腕が、優しい微笑が、愛しい人がいる。