「でさ、二人は?」

みあかはあたしと智明に聞いた。

「あたしはいるよー」
智明は笑顔で答える。

「あたし、いない」
あたしも笑顔でそう答えた。

「ほんとに!?
智明は誰が好きなの?」

「知りたい?」

「うんうん、すご~く知りたい!!」

二人はウキウキしている。

「うんとねぇ、上月君」

今までのテンションと違い、少し遠慮しがちに智明が答えた。


「上月君って、先月転校してきた!?」

「うん、そうだよ」

「へぇ、なんか以外。
あの子ってあまり人と関わらないって感じだから」

「うん、実際あまりしゃべったことないからね。
ってか、全然ないかも」

二人はあたしがいるのも忘れているかのように、勝手に盛り上がっている。