「いままでありがと」

なんだ、お礼が言いたかったのか。
だったら、みんなの前で言えばいいのに。


「鏡花のおかげで学校も楽しくなったよ」


「それは、あたしのおかげじゃないよ。
夏輝何気に人気者だったもんね」


「でも、俺小さいころから転校が多くて、友達になっても
すぐに離れ離れになるんだ。
今回は俺自身が決めたこと何だけど。

だから、あまり深く関わりたくなかったんだ。
最初のほうは正直、話しかけてくれなくて良いとか思ってたし。


でも、今はみんなに出会えてよかったって思ってる。
全部鏡花のおかげだよ」




そんなこと言われたら、泣きそうになる。

絶対笑顔で送り出すって決めたのに。






「鏡花、目閉じて」


「へ??」


「いいから」