「水月ちゃん、上月君のお兄ちゃんの彼女なんだー!」
そういいながら智明があたしのところに来た。
顔は笑ってる。
「いいな、鏡花うらやましー」
どうやらあたしの心配は無意味だったようだ。
べつに智明は怒ってなんかいない。
「うん、なんかそうみたい。あたしも最近知ったんだけどね」
「へぇ、いいないいな」
よかった。
智明に恨まれるかもって思った。
親友を疑った。
そんな自分がいやだ。
許せない。
分かってたくせに。
智明はこんなことで怒ったりしないって。
でも、あたしは智明を疑った。
はぁ…
ため息が出る。