「桟道さん、これありがとう」 「どういたしまして。 あの、どうして?」 あたしは、上月君にどうしても聞きたいことがある。 「何が?」 「どうして宿題をあたしに貸してって言ったの?」 実はそれがさっきからすごく気になっていた。 「近くにいたから」 「それだけ?」 「うん」 「そっか」