一晩いなくなっただけでこんなに心配してくれる。 あたしはとても申し分けなくなった。 一番履歴の多い翔太に胸を痛めた。 とりあえず、家に電話しなくちゃ。 『はい、桟道です』 「お母さん?」 『鏡花!? あんたどこにいるの? 無事なの?』 「うん、ごめんなさい」 『とりあえず、はやく帰ってきなさい』 「はい」 あたしは寝ている夏輝を起こさずに、アパートを出た。