「ねえ」 夏輝があたしに話しかける。 「何?」 「この間はごめんね」 「あぁ、あれね。 別にいいよ。 でも、夏輝は結局何が言いたかったのかまったくわかんない」 「だよね」 そう言って夏輝は空を見上げた。 すっかり暗くなった空には、星も月も光らずに、雲ばかりが浮いていた。 ちょっとさびしい空だ。 なんだか、無性に悲しく思えた。 夜空には、いつも星が光っていて欲しい。