「用はそれだけ?」

「いや、久々だしちょっと話でもしようと思ってさ」


………


「でも、あたし別に何も話すことなんてないよ!?」

本当に。
何を話すっていうのだろう?



「いや、でも俺はいっぱいあるよ!?」


はぁ、なんてマイペース人間になってしまったのだろうこの人は。



「鏡花、髪染めたんだな。
おれ、お前の黒髪好きだったのに」

「ふうん、そうなの。
でも、あたしはこれ気に入ってるから」