8:00*カラオケの帰り道。電車の中。

「今日は、久しぶりにテンションかなり上がったよねー!!」ミカが笑顔であたしに言う。

「うん。すっごい楽しかった!!ありがとね。じゃあ、あたしこっちだから。また明日の入学式でね。」あたしは、北出口へ。

「遅刻しちゃだめだよー!!じゃあね、ばいばい。」ミカは、南出口へ行く。

駅を出て、あたしは携帯をイジリながら歩きだす。
明日の入学式の事を考えながら・・・


「♪♪♪~♪」

どこからかノリの良い音楽が聞こえてくる。
あたしは、その音楽に引き付けられるように、音のする方へ歩いて行く。
人だかりができていた。

あたしは人と人のすき間から中を見た。


そこには、カッコイイHIP-HOPを踊る1人の男の子がいた。

あまりに軽やかでキレの良い動きに、あたしは見とれていた。
しばらく目が釘付けだった。

そして、ハッと気づき時計を見る。
8:50...
「やば~!!怒られる。」あたしは、家に向かって走り出した。




9:00*家

「ちょっと~!!遅いじゃない?!」不機嫌そうにお母さんがあたしに言う。
「ごめん。」と一言言い自分の部屋への階段を上る。
バタン!!とドアを閉め、音楽プレイヤーの電源を入れベッドへ飛び込む。
ふッとHIP-HOPの男の子が頭に浮かんだ。
「すごかったなあ~!!」独り言を言いながら音楽を聴いていた。