家族の会話がない食卓には、テレビの音だけが響く。


あたしは、食事中に楽しく笑った記憶も少なく、午後8時になれば

父の


『もう寝る』という言葉で、就寝の時間になる。




部屋中の電気を消して、母もあたしも、自分の布団に潜り込む。



夜8時以降に見たい
テレビがあっても見れず、


音もたてず、静にしていても、電気をつけているだけで『いつまで起きてるんだ!』と、手をあげられる。



父が布団に入ったあと、物音ひとつでもたてれば、『うるさい』と、父は物を投げつける。




だから、あたしは、就寝時間の夜8時になると、人形のように動かず、息をひそめ、暗闇の中で天井を見上げる。