シャン、シャン―――。
「…?」
「どうしたの、杏里?」
不意に立ち止まる杏里。
「いや、今なんか音がして…。」
「ちょっと、杏里!何処行くの!」
ふらっと音のした方へ引き寄せられるかのように歩いて行った。
シャン、シャン―――。
鈴の音…?
なんで鈴の音が…。
音をたどり行きついた場所は蔵。
今度は蔵の中からカタカタと何かが動く音が聞こえた。
好奇心を抑えきれず扉を開ける。
中にあったのは古い鏡。
少し埃がかぶっていて太陽の光が当たり鈍い光を放っていた。
「鏡…?」
あれ、この光景、前にも…。
そんなことを思いつつ鏡へと手を伸ばした瞬間、体中に電気が駆け巡った。
バチッ!
「………痛っ?!」
とっさに手を引っ込め鏡を見やる。
「杏里、何やってんの。」
追いついた沖田が覗き込む。
「また古びた鏡だね。」
おもむろに杏里は鏡の埃を拭き取る。
杏里が鏡の表面に触れた瞬間鏡は強い光を放った。
「まぶしっ…!」