* * * 元治元年六月六日の夜明け、池田屋襲撃は幕を閉じた。 浪士側の死傷者十数名、 新選組側は死者一名重症者三名という世に悲惨で壮絶な戦いだった。 永倉は左手に負傷、藤堂は額を斬られ中庭で倒れていた。 沖田はニ階の客間に横にさせてある。 池田屋の中は斬り殺された浪士が転がっており血の匂いが充満していた。 命に代えて逃がそうとしていた吉田や、宮部も殺された。 これが後の世で【池田屋事件】と言われるものである。