一人、二人と沖田へと刃が向かうが沖田は一歩も動かない。


なっ…？！
身体が動かないっ？！


「ボケっとしてると本気で斬られるよっ！」


サッと相手と沖田の間に杏里が入り込み一瞬にして男たちは屍と化した。


「ごめん、ありがとう杏里。」
「どうしたのさ、らしくない。」


心配そうに様子をうかがう杏里。
また一人の浪士が今度は背後から杏里へと斬りかかってきた。


「杏里危ないっ！」
「え…？」


ガキンッ！


「どうした？押されてるぞ？」


男が力を込める。


「ゲホッ、ゲホッ、コフっ！…うっ！」




ビチャッ。



「てめぇっ！くたばれつ！」
「がぁッ…！」


もう少しで斬られそうになった沖田をかばい相手を一刀両断する。
急に咳込み出す沖田に杏里は血相を変えた。　


「杏里、無事ならよかっｔ…。」


どさりと音を立てて沖田は崩れ落ちた。


「「総司っ！おいっしっかりしろよっ！総司っ――！」


揺さぶっても目を覚まさない。



「嫌ぁぁぁぁぁぁぁぁッ…！」