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拷問を終えみんなを広間へと集めた土方。
「それで、古高は吐いたんですか?」
「あぁ、奴らの目的は…。」
風の強い日を狙って京都御所に火を放ち、その混乱に乗じ中川宮朝彦親王を幽閉し、
一橋慶喜・会津の松平容保らを暗殺し孝明天皇を長州へ連れ去ることだった。
土方が内容を話し終えると沈黙の海になる。
沈黙を破るように永倉が声を発する。
「…おいおい、明日は宵山だぜ?なんつーこと考えてんだ、長州の奴らはよぉ。」
「あぁ、だから今夜奴らの会合場所を潰す。決行日は明日か明後日のはずだ。」
都を火の海にされてたまるか。と土方がぼやく。
「でも場所わかんないんじゃ駄目じゃないの?」
「会合するなら普通馴染みの料亭とか宿とかだろ?片っ端から調べるしかねぇよ。」
「会津藩や他の諸藩が援軍をだしてくれはるみたいですし、俺や他の監察方も動きますさかいなんとかなりますやろ。」
藤堂、原田、山崎が口々に言った。
沖田に起こされた杏里は腕組みをしてただじっと聞いていた。
自分は口を出してはいけない。
この先の事を知っているから。
「今出動できる隊士は幹部含め四十人だ。そっから二隊に分けて出る。」
「でもさ、土方さん。出るって言っても動ける隊士は少ないよ?」
藤堂の言うとおり、隊内で脱走していった者や体調を壊す者で人手がないのだ。
現代にある、クーラーや扇風機と言ったものは当り前の如くこの時代にはまだない。