カラン。コロン。
元治元年六月三日。
もうすぐ祇園祭ということで町は賑わっていた。
そんな中、沖田と杏里は近藤の計らいで祇園祭ではないが祭見物に来ていた。
本当は総司のためなんだけどな。
近藤さん達に話したこと知ったら絶対怒るよなぁ…。
――昨日。
「総司の好きなように、今までと同じように過ごさせてあげてください。」
「言ってたんです。゛今、俺が抜けるわけにはいかない。゛って」
お願いします。と頭を下げる。
「あいつは死ぬのか?」
「…はい。まだもう少し先ですが…。」
「そうか…。」
土方はフゥッと煙管から紫煙を吐き出し
、近藤は眉間に皺を寄せ目を伏せていた。
「南君、局長として頼む。総司から目を放さんでくれ。これからも総司と一緒にいてやってくれ。」
「そのつもりです。お二方、今の話、総司はもちろんバレないようにお願いしますね。」
そう言って杏里は部屋を出ようとした。
「南君、君は総司の事を好いとるのかね?」
「はい…!」
フワッと笑って杏里はそのまま部屋を後にした。
もう自分の気持ちに嘘つかない。
私は、総司が好きなんだ。