* * *
夕食をとったあと近藤の部屋へと向かった。
総司、ごめんな…。
「近藤さん、ちょっといいですか?」
「南君かね?構わんよ、入っておいで。」
失礼します。と一言告げ部屋に入る。
そこには運よく土方もいた。
「ちょうどよかった。土方さんも聞いてください。」
杏里は総司が労咳であることを伝えた。
「総司が労、咳…?」
「それは本当かね。」
「はい。広間に集まって解散した後、
少し話をしていまして。そしたら変な咳をして血を吐いたんです。
私の家族の者が労咳にかかってたのでまず間違いないかと。」
後半は嘘だ。家族に労咳、今で言う結核にかかった者はいない。
第一現代では治る病気だ。
「総司に言うなと止められたんですが…」
「いや、よく話してくれたね。」
近藤は顎に手をあて悩みだした。
「どうする歳。」
「近藤さんその事ですが…」
杏里は深々と頭を下げて願いでた。
「総司の好きなように、今までと同じように過ごさせてあげてください。」