広間には幹部が集まっていた。
もちろん局長である【近藤勇】や総長の【山南敬助】もいた。


「おぉ!君かトシを倒した剣士とは!」
「これはこれは。聞いていた話より随分凛とした綺麗な方だ。」


山南はにっこり微笑みかけるが杏里はそれを無視して座った。


「こんな時間にみんなを呼び出して悪い。
実は話しておかなきゃならない事があるんだ…。」


その場の空気が一気に変わり視線が杏里へと集中する。


「私は…、この時代の人間じゃない…―――。」
「どういうことだ?」
「ちゃんと説明してくれないとわかんないよ。」


平助達が聞き返す。


ちゃんと説明って言われてもどう説明しろと…?!
だって国語の成績2なんだぜ!


「私は未来からこの時代へとタイムスリップ…、えっと、時空を超えて来たんだ。
だから私にとったらこの時代は過去で私の居た時代ではもうみんなは…。」


説明が上手くできない杏里に対して土方が助け舟を出した。


「要するに、お前は未来から来て、
この先に俺達に起こる事を知っているってことだろ?
そしてお前からしたら俺達はすでに死んだ人間。だろ?」


「はい。この先に起こる事は知っている。だけど教える事はできない…。
れk「歴史が変わってしまうから。」


杏里の言葉を遮(さえぎ)り沖田が言った。


「あぁ。教えてやれなくてごめん…。」


言える事は何もかも言った。
後はみんながどう受け取るかだな…。


「南君の言いたいことはわかった。」


ずっと黙っていた近藤が口を開いた。


「君はこれからどうしたいんだ?」


近藤の一言で皆の視線が杏里に集中する。