――道場。


道場に殺気にも似た空気が張り詰める。
道場内には沖田、原田、永倉、藤堂、土方、そして杏里の六人だ。


「準備はいいか…って防具ぐらいつけろよ。怪我すんぞ。」
「お構いなく。あまり私を見くびらない方がいいですよ。」
「ふん。言ってろ。舐めてると痛い目見るのはお前だ。」


バチバチと双方に火花が飛び交う。
二人が醸(かも)し出す殺気は本当に人を殺しかねない。


「こ、恐ぇぇぇっ!何あの殺気!」


平助が震え上がり新八と原田にしがみつく。


「あの目だけで人一人殺せんじゃねぇ…?」
「総司の言うとおりとんでもねぇな、あのお嬢さんは…。」


冷や汗が二人の背中を伝う。


「二人共用意はいい?」


審判に駆り出された沖田が杏里と土方に声をかけて確認する。
そして始めの一声で両者は床を蹴った。


「…以外とお強いんですねっ!」
「てめぇもやるじゃねぇか…!」