家には弘人1人みたいだった。



「コーヒー?それかオレンジジュースもあるけど。」

「じゃぁオレンジジュース。」



弘人は柄にもなく、ロールケーキを切ってお皿に乗せて持ってきてくれた。



「んん〜♪やっぱ美味しい〜♪
幸せ〜」



「ずいぶん簡単な幸せだな。(笑)」


「いやいや、簡単じゃないよ?
この味にたどり着くまでのパティシエの努力と、30分並んだ私の努力と。…(笑)」



「はいはい。
ホントお前は何かしら返してくるよな。

たまには素直に受け入れとけ。」



「どうせひねくれてますよ。
可愛いさのカケラもないですよーだ。」




こんなくだらない言い合いが好きだったりする。



「また、お前は…。

そこまで言ってないだろ?(笑)


……そういえば、昨日のコンパはどうだったの?

誰か釣れそうか?(笑)

それか昨日さっそくお持ち帰りとか?(笑)」




「そんな訳ないでしょ。

みんながみんなアンタと同じ思考回路じゃないんだから。」



「いや、男なんてだいたいみんな同じだろ…。」




「昨日の人たちはアンタと違って、大人でジェントルマンだったし。

健全に映画のお誘いが来たしー。」