馬場さんがあたしに話す事なんて言ったら一つしかない。


「ありがとうございます。」


馬場さんはニコッて笑った。


見てて罰が悪いのに、あたしはホッと安心するのだった。


「今日は相談っていうより、聞きたい事があって。」


「何?」


「えっと…滝沢先生って彼氏いますか?」


「え?」


これまた予想外な質問である。


「いないけど…」


「え!?
嘘!!」


「嘘じゃないよ。」


「え…だって…」


馬場さんは何か考えているかのように下を向いたが、間もなく顔を上げた。


「ごめんなさい…変に疑ったりして。」


「ううん。
気にしないで。
…それが聞きたかった事?」


「いえ、それも聞きたかったんですけど…」