人は大分減っていた。


それでも疎らにいる生徒を見ながら、あたしは小走りで教室に向かう。


階段を上がってまた廊下を曲がって…


そしたら、馬場さんが教室の前にいた。


「馬場さん!」


名前を呼ぶと、馬場さんはこちらに駆け寄ってきた。


「滝沢先生、場所変えてもいいですか?
教室使ってて。」


「いいよ。」


あたし達は並んで歩く。


人は更に減っていた。


あたしが先程登った階段の前で馬場さんは止まった。


「馬場さん、廊下で待たせてごめんね。」


「いえ、殆ど教室にいましたから。
それより、いつも相談してばっかりでごめんなさい。」


「そんな、あたしなんかでよければ…」


言葉が続かなかった。