「菜々香?嘘はやめて…うちは菜々香が大好きやし……」


「嘘?嘘は乃々香ちゃんやろ?!あたしが大好きとか嘘やろっ!!お父さんもお母さんもずっとあたしに付きっきりやから…あたしばっかりが…相手にされてたから……本当はあたしなんかおらん方がいいって思ってたんちゃうの?」


「ちがう…」


小さい時は…毎日、お母さんは病院に行ってた。お父さんも………やから寂しかったけど、病気と闘ってる菜々香のことを考えたら我慢できた。


「そんなこと…うちは思ったことないっ!!」


「そっか…そうやんな?そのおかげでいっくんと仲良くなれたし…お兄ちゃんにも相手にされたし…」


「菜々香?」


「お兄ちゃんにいっくん…男好き。」


「ちがうっ!」