「乃々香っ!!一人で何得点すんねんっ!」


笑いながら叫ぶ…一樹の隣に当たり前のようにいる菜々香。


「うちは、まだまだ動くでっ!!」


「元気すぎやっ!」


菜々香を視界に入れないように…するけど、入る。
前までとは違う風景ー二人は離れて座ってて…


得点すると菜々香に笑いかけ…一樹にガッツポーズを送るー。


久しぶりの試合に夢中で…そんな余裕はなかった。


けど、そんなこと出来ひん。やって、二人は相手チームの人間で…うちが活躍したって菜々香は…


“ ま け ろ は や く ま け ろ”


うれしくもなくて…うちが負けることだけを願ってるんやから…


「っ、」


首をふる…うちに……菜々香は…言う。


「乃々香ちゃんっ!頑張ってっ!」


“ 私 へ の あ て つ け ? ”


「ちがっ!!!」


その時ー試合開始の笛が鳴る。二分の休憩なんか一瞬。