「乃々香ちゃん、久しぶり。」
「っ!!!」
「菜々香っ!大好きな乃々香にやっと会えたなっ!」
「はいっ!いっくん先輩のおかげですっ!」
「な……なか」
好き、という気持ちをおいておくなんかうちには許されへん。うちは…
「…あんたら……だれ?」
「乃々の知り合い?」
「マサ…ハル……」
たぶん、さっきよりもドッと暗くなったうちの表情に気づいた二人が…目の前に立って庇ってくれた。
「おいおい、なんやねん。乃々香の友達?乃々香から聞いてないんか?俺らは幼なじみに…」
言わんといてー
お願いっー!
その先は……
「双子の妹の菜々香です。」
「っ…」
「ほんまにっ?似てないやんっ!」
「うん、乃々香に似てない。」
「……………」
なんか、言わなっ、なんか…早く言わな…アカンのにー何も言葉が出てこやん。
「二卵性やから…よく似てないって…言われるんです。」
「そうかも…ね、将ちゃんっ…」
皆の会話が遠くに聞こえる。汗が尋常じゃなく出る。なんで?怖い……うん、ただ怖い………
あの菜々香の笑顔がー。