「いっちょまえに緊張か?」
「マサ…」
「いつも通りに…やで?落ち着いて、乃々。」
「ハル…」
体育館の入口でコートを眺めている、うちに優しく声をかける二人。
「ありがとう…緊張じゃないねん。」
「じゃあ、どしたん?ずっと固まってるけど…」
「固まってた?…んーなんて言うんやろ…楽しみでワクワクが止まらんねん!やから…」
「ワクワクしすぎて体を動かしたいけど、試合前に怪我したらアカンから無理矢理、体の動きを止めてる…それが周りには体が固まってるように見える……やんな?乃々香っ!!」
…この声。それに、うちのことをこんなに知っている人物…。
「…い……っき?」
「久しぶり、ってか乃々香!俺のメールに電話、全部ムシしやがってっ!!」
「っ、」
目の前にいるのは、S学園のユニフォームを身に纏った一樹…約四ヶ月ぶりに会う一樹…あの時は、お守りをくれた…一瞬でー。
今日は試合が終わるまで一緒……。
どうしよう……
やっぱり顔をみたらー気持ちがー。
嫌いに………なんて……