「大丈夫か?」


「うん、大丈夫やで。」


「…そっか」



大丈夫、会うのは一樹だけ。メールも電話もムシしたから気まずさはある。


やけど、大丈夫。


「…明日、いつも通りで頑張れよ。」

「うん、頑張るっ!」

「俺も…頑張って勝つからー。」


S学園の男子バスケ部は強いって有名…いっつもインターハイにも出場してる。うちの学校も負けてて…


「女子も強くなってきたって聞いた。やから、油断せんとしっかりやれよ?」


「当たり前っ!あ、ここでいいよっ!」


「家の前まで…」


「大丈夫っ!ありがとう、マサも今日はゆっくり休みや?」


「あぁ。」


「明日は祝賀会やろなっ?」


「ハルに言っとくわ。」


「うんっ!!」



マサと別れ、家まで全力で走った。走って…走って…


「ただ…いまっ…」


「乃々香、どうしたん?すごい息切れしてー何か変な人どもおったん?」


「ちがっ…ただ……走りたかった……だけっ…」


「そう?ご飯とお風呂…どっちにする?」


「っ、今日は…寝る。」


「乃々香っ?!」



お母さんの声をムシしてーうちは、自室に入り…眠ったー。携帯の電源を切ってー……