一樹は隣の家で…一つ年上。
去年から全寮制の高校に行った。
うちの志望校。


一樹がおるから…
一樹とちょっとでも一緒におりたいから…


「明日、頑張ろう」


そう呟いて…一樹の背中が見えなくなるまで…うちは外におった。


「寒…」


体は冷えきって…
やけど気持ちは落ち着いた。


ありがとう、一樹。


明日、受かりそう…
安堵感でいっぱいになったうちは、部屋に入って寝ようとした……


「乃々香ちゃん…」


菜々香に呼び止められなければ、菜々香が寝ていたら………たぶん、いや、絶対にうちの人生はかわっていた。