それからは沈黙が続いた。
どっちも話すことなかった。


やけど、嫌な沈黙じゃなかった。


「…………なにしに来たん？」


「舞葉と話したかったから。」


「いい子ぶる」


「いい子ぶってないわ！これが性格やねん。しゃーないやん。」


「そうゆうところが嫌い！めっちゃ嫌いやねん！」


「…………嫌い…か。」


「……………なに？」


「うちは嫌いじゃない。」


「は？」


「うちは嫌いじゃないし。嫌われたくない。やからさ…………」


「そっくり！昔のあたし、そっくり！その偽善ぶった性格！いつか…はげるんやろ？その偽善！やったらはじめからやめときーや！」


偽善？偽善なんかやない。


「偽善………か。そう思われても仕方ない。やけど、偽善なんかやない。これは…ただの我が儘。」