「乃々香ちゃんがいっくんの目の前から消えたら全部…ぜーんぶ許したげる。」
「菜々香…そんなん…」
うちの唯一の居場所…
一樹の隣は…うちの居場所。
菜々香には…たくさんあるやん…やのに…たった一つのうちの大切な……
「乃々香ちゃん?」
「考え…させて……」
「そんなん言うん?悲しい………あたし………っ……う゛っ……」
「菜々香?!」
「………っ………うあ……っ…」
「菜々香?!菜々香っ?!」
「…………っ…」
「菜々香っ?!大丈夫っ?!いやや!!」
「乃々香?どしたん?って菜々香っ?!」
「お母さんっ、菜々香が…」
「乃々香が興奮させたん?明日、大切な入試やのに?…菜々香っ大丈夫?お薬飲んで…落ち着いて…」
「う゛ん…」
「…菜々香はお母さんに任せて………乃々香は寝なさい。明日あんたも入試やねんやから……ね」
「うん…………」
“乃々香ちゃんの居場所なくなるよ?”
と菜々香は耳打ちして…リビングに行った。
うちはボーッと佇むしかなかった。