ドラマのような脱出劇を終えて僕たちは倉庫から離れたグラウンドに移動した。

まず、先生に余計な事を言われないようにするためと。

小林を安心させるためだ。

「大丈夫か・・小林」

「う・・うん。でも龍ちゃんひどい怪我だよ」

「気にするな。で? 大丈夫なのか?」

「私は平気だよ。」

小林には目立った外傷はない。

とりあえず、これで一安心だ。

「小林、なんであんな所にいたんだ?」

「祐ちゃんに呼ばれて廊下に出たら、突然気を失って・・・・」

「倉庫にいたって事?」

「うん」

それって小林を眠らしただけで後は何もしてないって事?

じゃあ祐也はどうして・・

「龍ちゃん!?」

力が・・はいらない。

手を見ると血がまだ出ている。

・・出血多量だ。

「龍ちゃん! 龍ちゃん!」

小林が叫ぶだけど僕は返事ができなかった。

そして僕は意識を失った。