火は大きくなっていた。

扉を開けて空気を入れたからだろうか、さらに大きくなっている。

「・・・・くそ」

深呼吸して火の中に飛び込む。

「あっつッ・・・・・・」

熱い。

そして、痛い。

だが、足を止めず走り続ける。

そして

「裕也!」

今ここでコイツを助けなかったら。

僕は一生後悔する。

確かにコイツは狂ってる。

でも、僕は。

昔みたいに、人を失っていく悲しみは

もう嫌だ!!

「ぐぐぐ・・・・うおおぉぉぉ!!」

横にのびている裕也を担ぎまた外に出る。

「龍ちゃん!」

小林が手を差し出す。

「小林!」

僕もその手を握り返す。

やっと僕は地獄のような暑さから解放された。