「小林! どこだ!」

あたり一面火の海。小林の姿は見えない。

「裕也! 小林はどこだ!」

裕也の胸ぐらをつかみ、場所を訊く。

「あそこだ・・・・」

それを言って裕也は倉庫の奥を指差し気を失う。

けど、僕もそれに構わず、火の中に入る。

「小林!」

「龍ちゃん? 龍ちゃん!!」

そこに小林はいた。しゃがみこんでいて、怯えていた。

「小林、外に出るぞ。」

「う、うん」

そういって小林を担ぐ。

「オラァ!!」

倉庫の扉を蹴破り外に出る。

だが一つ思い出した。

「小林ちょっと降りてくれ」

「え? うん」

そう言って小林が降りた直後にまた僕は火の中に走り出していた。

ふざけたやつを助けるために。