裕也は、肩に手を置いたまま、僕に聞く。

「本当に小林の事は好きなんだな?」

「好きだとしても、お前には関係ない」

「だから・・俺の利益のためだ」

「・・どうすれば、お前はやめるんだ?」

「最終目標は・・キスシーンかな」

「じゃあ、諦めろ。僕は告白するつもりはないし、お前に協力することもない。これが最後の会話だ」

「えぇ~マジかよ~」

・・・・めんどくせぇ

僕は、肩に置いてある手を払いのけ、教室のドアを開ける。

「・・・・なぁ、大宮」

「・・・・」

「俺ってよくお人好しって言われるけどなんでかな?」

「知るか」

あいつはどうも好きになれない。

あの時の二の舞はしたくない。

ぼくは裕也を睨むこともせずに教室に入った。