気がついたら少女は息を切らしながら走っていました
暗闇の中、頼りになるのは木々の間から漏れてくる光だけでした…

しばらく走っていると…
目の前にたくさんの光が飛び込んできました

あまりの眩しさに一瞬何も見えなくなってしまいました

少女の傍でカサカサと音が聞こえてきました

その方向に一歩ずつ近づいてみると…

「痛いっ…また失敗しちゃったよ…」

その声にびっくりして目を開けてみると
体中に葉っぱをつけた女の子がいました…
「あなたがサンタクロース…?」

女の子は体についた葉っぱを落とすと
「あっ…えっと…私、荷物運ぶ途中で…星があんまり綺麗だったので…花びらから落ちてしまったんですよ」
大きな淡いピンクの瞳を少女に向けて女の子は柔らかに微笑みました
「じゃあ、サンタクロースじゃない…」
最後まで言おうとして少女は空に目を奪われてしまいました…


空からキラキラと光が降りそそいでいました
「わあ…綺麗…」
「あ…流れ星だ…願い事しなくちゃ…」
女の子はそう言うと目を閉じて、お祈りをしています
少女も真似をしてお願いをしました
「流れ星が流れている間に願い事をすると叶うんですよ」
目を開けると女の子はそう教えてくれました
女の子が寒そうにしていたので少女はお店に案内をすることにしました

帰り道、木々の間から漏れてくる光の中を二つの影が楽しそうに歩いて行きました

―― たくさんの友達が出来ますように ――

おわり
2007/08/08