暗闇の中にふんわりとした光が輝いていました

闇が濃くなるにつれ
その輝きが闇を覆うように光が増していきました…

少女は誰もいなくなったお店で一人…紅茶を飲んで寛いでいました
窓際の椅子に座り空を眺めるのが少女の日課になっていました

いつものように空を眺めていると…
暗闇の中で何かが移動したような気がしました…
(……サンタクロース?)

昔…祖母が話をしてくれました
良い子には空からサンタクロースがやって来てプレゼントを届けてくれるのだと…
少女はもう子供ではないし、何よりサンタクロースが来る日は白い綿が積もった日と言われていました…

空は先程よりも光が広がりキラキラと輝いていました

気になったので少女は外に出ることにしました

お店の扉を開けると…

ひんやりとした風が頬を撫でてゆく
一歩踏み出せば…光の下では木々達が風と一緒に踊っているように見えました

空を見上げると暗闇を覆い尽くすほどの輝きでいっぱいなっていました

辺りを見渡してみても、感じることが出来るのは木々や風の歌声が響いているだけでした

空を眺めていると…

何かが移動しているのが見えました

それはすぐ傍に落ちていったように見えたので…
少女は森の奥へと進んでいきました